初心者向け
パケット通信を始めよう!
Introduction to Packet Communication

パケット通信ってなぁに?

パケット通信は、アマチュア無線の電波を使ったデータ通信の一つです。 普通の交信は音声で会話をしますが、パケット通信ではコンピュータに文字を書き込んで ディジタル的に送ります。

何ができるの?

普通の交信と同じように、相手を探して(文字による)会話もできますが、パケット通信の最大の 特徴はたくさんのコンピュータをつないだネットワーク(情報網)に参加できることです。 パケット通信も、日本国内だけでなく世界中に広がるネットワークを構成しています。 ということは、あなたのコンピュータにメッセージを書き込むだけで、パケット通信ネットワークに 接続された世界中のコンピュータへそれを送り届けることができるのです。 メッセージの種類は主に二つあります。一つは個人宛のパーソナルメールで、もう一つは ブリテンと呼ばれる広報メッセージです。パーソナルメールは郵便で送られてくる手紙、 ブリテンは掲示板に貼られた紙と考えると良いでしょう。 ブリテンにはいろいろな話題が書かれています。アマチュア無線やDX情報はもちろん、趣味や 生活に関する話題、プログラムや画像データなど、情報盛りだくさんです。

用意するものはこれだけ!

パケット通信を始めるために必要なものは次のとおりです。 取り扱い説明書にしたがって、図1のように接続しましょう。

どうやってやるの?

それではパケット通信のやり方を簡単に説明しましょう。 パケット通信を行っているコンピュータは一般にRBBSというシステムを動かしています。 RBBSはRadio Bulletin Board Systemの略で、24時間メッセージを送ったり受けとったりする基地局です。 あなたがメッセージを読んだり書いたりするためには、まずRBBSに接続しなければなりません。 これから、JI2YFWというRBBSに接続してメッセージを読み出した後、新しいメッセージを 発信する場合を考えます。実際のRBBSの周波数とコールサインは一覧表で調べて下さい。
  1. まずはRBBSへ接続
    まずパソコンとTNCと無線機が正しく接続されているかを確認しましょう。そして、 パソコンとTNCの電源を入れ、ターミナル(端末)ソフトを動かします。 Enterキーを押して、cmd: という文字が出れば、パソコンとTNCの接続はOKです。 さぁ、いよいよRBBSへ接続(コネクト)してみましょう。無線機の周波数を合わせて、 cmd: の後に、C JI2YFW と入力します。コネクト要求コマンドは C (Connect)です。 接続に成功すれば、*** CONNECTED to JI2YFW と表示されるのでメッセージに したがってコマンドを入力します。 電波が届かなかったり、他の人がRBBSを使っている時には、 *** DISCONNECTED というメッセージが表示されます。
  2. ユーザ登録をしよう
    次に、RBBSへユーザ登録をしましょう。RBBSでは届いたメッセージが登録されたユーザ宛 かどうかを確かめて、そうであるならそのメッセージを保存し、そうでないなら他のRBBSへ 転送します。ですから、メッセージを確実に受け取るためにはRBBSへのユーザ登録が必要です。 郵便局で私書箱を作るのと同じと考えると良いでしょう。 登録の方法はRBBSによってさまざまですが、メッセージにしたがって行えばそんなに難しい ものではありません。このようにして登録したRBBSはあなたのホームBBS (HBBS)になります。
  3. メッセージを読もう
    接続したRBBSにはどんなメッセージが保存されているのでしょうか? RBBSによって異なる 場合もありますが、一般に L (List) コマンドを使うとメッセージの一覧を表示させることが できます。
    LL 20新しく届いたものから20通分の一覧を表示します
    L 10 35メッセージ番号10番から35番までの一覧を表示します
    L 保存されているメッセージを順に一覧表示します
    読みたいメッセージ番号が決まったら、R (Read) コマンドを使って本文を読み出しましょう。 R につづいてメッセージ番号を指定します。例えば、28番のメッセージを読みたい時は R 28と入力しましょう。
  4. メッセージを書こう
    メッセージを書くときに一つ注意することがあります。それはパーソナルメールとブリテンの 区別を間違えないことです。メッセージを書くコマンドは S (Send) ですが、以下のように パーソナルメールとブリテンでコマンドの書き方が少し違います。
    SP callsign @ hbbs-addressパーソナルメールの発送
    SB category @ distributionブリテンの発送
    パーソナルメールの場合は、callsign にメッセージを届けたい相手のコールサイン、 hbbs-address に相手のホームBBSを指定します。ブリテンの場合には、category にメッセージの 内容にあった分類名を英数字で書きましょう。分類名は L コマンドで一覧表示させた結果を 参考にして下さい。distribution にはそのメッセージを分配する範囲を指定します。たとえば、 JPNとすれば日本国内だけに配布されます。JNET2とすればアマチュア無線の2エリアの範囲に だけメッセージが伝達(転送)されて行きます。 本文の前にSubject (タイトル)も入れましょう。本文が書き終ったら、行の先頭から/EX と入力 すれば書き込み終了です。
  5. 接続の終了
    RBBSとの接続をやめるときにはB (Bye) コマンドを使います。

わからな〜い。どうすればいいの?

まず近くのRBBSにコネクトして、その管理者(シスオペといいます)に尋ねてみましょう。 きっと親切に教えてくれるはずですよ。遠慮せずメールを使ってどんどん聞いてみましょう。
Written by JS2LGP@JS2LGP.20.JNET2.JPN.AS N. ISO es 7L1FFN/2, 16. June 1997.
Second Version, 25. June 1998.

パケット通信に関するガイドライン

  1. パケット通信を行う者は、郵政省告示「アマチュア業務に使 用する電波の形式および周波数の使用区別」による周波数帯 内で運用しなければならない。
  2. パケット通信を行う者は、自局から発信する情報が広範囲 に拡散する(たとえ特定の局宛の通信内容であっても、蓄 積・交換により多局に伝送される)ので、通信内容につい ては電波法に定めるアマチュア業務から逸脱しないように し、かつ責任を持たなければならない。
  3. パケット通信を行う者は、技術的な事項に関心を持ち、技 術的発展のために利用する。
  4. RBBSの利用者は、通報の転送効率を高めるため、冗長な通 信内容(文書)の伝送(書き込み)はしないこと。また文書に は発信した局の呼出符号(社団局の場合は運用者の氏名を 含む)を明示し、発信者を明確にしなければならない。

1998.06.29.
fmiso at nuee.nagoya-u.ac.jp